便利な「諸口」


会社の経理をやっていると処理に困るケースが時々あります。

例えば、クレジットの売掛金が会社の口座に入金される際、クレジット会社に手数料が発生するため、その手数料分差し引かれて入金されます。

この場合の仕分けは(売上10,000円、手数料100円として)

(発生時)

売掛金 10,000 / 10,000 売上高

(入金時)

預金口座 9,900 / 9,900 売掛金

支払手数料 100 / 100  売掛金

といった処理も出来ますが諸口(しょくち)を使うことも出来ます。借方または貸方のいずれが1つに対して相手側が複数ある時に使われる、あれです。

ちなみに「諸口」は勘定科目ではありません。

上の場合は別に諸口で処理しなくても良いとは思いますが、昨年秋に消費税が8%と10%になった際の仕訳には大活躍します。(厳密に8%でも軽減8%のものとそれまでの8%のものがあったり、契約等で5%のものもあったりと複雑ですがここでは割愛)

売上高には現金以外にもクレジットカードやQR決済等多岐にわたっていて、お店のレジであれば売上高(課税10%の売上高、課税8%の売上高)と10%消費税額、軽減8%消費税額は分かるはずですが、その情報だけでは会計ソフトで売上を計上する際に10%売上高で現金がいくら、売掛金がいくら、8%売上高で現金がいくら、売掛金がいくらと税率に対しての現金と売掛金の内訳がわからないレジだと仕訳のしようがなくなります。

そこで救世主となるのが「諸口」

上記の場合(売上高10万円、内10%消費税7万円、8%消費税3万円、売上高の内現金8万円、売掛金2万円)とすると

(10%消費税分)

諸口 70,000 / 70,000 売上高 ・・課税売上処理

(8%消費税分)

諸口 30,000 / 30,000 売上高 ・・課税売上処理

(売上高を現金と売掛金に振替)

現金 80,000 / 80,000 諸口 ・・不課税処理

売掛金 20,000 / 20,000 諸口 ・・不課税処理

この仕訳で諸口は相殺され経理ソフトでもきちんと処理出来ます。

 

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